北側斜線制限とは?低層住宅地で家の高さが決まる仕組み
更新日:2026/10/28
北側斜線制限は、北隣の家の日当たりを守るために、建物の北側の高さを抑えるルールです。低層の住宅地では、2階の形や屋根の向きを決める大きな要素になります。
北側斜線制限の計算方法
真北方向の隣地境界線から、一定の高さを起点に、北から南へ1mごとに1.25mずつ上がる斜めの線を引きます。建物は、この線の内側に収める必要があります。
| 用途地域 | 高さの上限 |
|---|---|
| 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 | 5m + 1.25 × 北側境界までの距離 |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 10m + 1.25 × 北側境界までの距離(日影規制がかかる区域では適用されません) |
| 上記以外の用途地域 | 北側斜線制限はありません |
例:第一種低層住居専用地域で、建物の北面が北側の境界から1.5m離れている場合、その位置での高さの上限は 5 + 1.25 × 1.5 = 6.875m。ふつうの2階建ての軒の高さ(6m前後)なら収まりますが、屋根を北に向かって高くすると、はみ出すことがあります。
距離の測り方の注意
- 「真北」で測ります。方位磁石が指す磁北とは少しずれます。
- 北側が道路の場合は、道路の反対側の境界線から測ります。そのぶん制限がゆるやかになります。
- 北隣の土地が1m以上高い場合は、その差から1mを引いた分の半分だけ、自分の敷地の地盤が高いものとして計算できます。
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北側斜線を確認しながら間取りをつくる →東京都の高度地区:北側斜線より厳しいことも
東京都などでは、都市計画で高度地区が定められている地域があり、北側斜線とは別に、北側の高さが制限されます。両方かかる場合は、厳しいほうに合わせます。東京都の場合の例です。
| 高度地区 | 高さの上限(真北方向の境界からの距離 L) |
|---|---|
| 第一種高度地区 | 5m + 0.6 × L |
| 第二種高度地区 | Lが8mまで:5m + 1.25 × L、8mを超える部分:15m + 0.6 × (L − 8) |
| 第三種高度地区 | Lが8mまで:10m + 1.25 × L、8mを超える部分:20m + 0.6 × (L − 8) |
第一種高度地区は勾配が0.6と緩やかなため、低層住居専用地域の北側斜線(5m+1.25)より厳しくなります。神奈川県・横浜市などの高度地区は、自治体ごとに数値が違います。必ず自治体の都市計画図で確認してください。
低層住宅地のそのほかの高さ制限
- 絶対高さ制限:第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域では、建物の高さは10mまたは12mまで(都市計画で指定)。
- 道路斜線制限:道路の反対側の境界から、住居系の地域では1mにつき1.25mの勾配で高さが制限されます。
- 日影規制:一定の高さ・階数を超える建物は、冬至の日に北側へ落とす影の時間が制限されます(低層住居専用地域では軒高7m超または3階建て以上が対象)。
北側斜線に収めるための間取りの工夫
- 建物を南に寄せる:北側の境界から離すほど、北面を高くできます。南側に庭を取りたい場合とのバランスが大切です。
- 屋根の形を選ぶ:北に向かって低くなる片流れ屋根、寄棟屋根は、北側斜線に収めやすい形です。
- 2階を南側に寄せる:北側を1階だけ(下屋)にすると、北側の高さを抑えられます。
- 北側に水回りを置く:天井が低くてもよい浴室・トイレ・収納を北側に集めます。
土地の条件で確かめる
今取では、用途地域と高度地区を選ぶと、北側斜線・高度地区・道路斜線・絶対高さを3Dで表示し、間取りがはみ出していないかを自動でチェックします。建ぺい率・容積率については建ぺい率・容積率とはをご覧ください。
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北側斜線を確認しながら間取りをつくる →※ この記事は一般的な目安です。実際に建てられる大きさや必要な手続きは、敷地ごとの条件や自治体の条例・指導によって変わります。計画の際は、役所(建築指導課など)や設計者・建築会社にご確認ください。